中国抗日映画・ドラマの世界(祥伝社新書)

スポンサーリンク

ちょっと前に話題になった書

遅ればせながら劉文兵先生の『中国抗日映画・ドラマの世界』を読んでみた。だいたいは中国クラスタのブログ記事やビジネス誌に掲載するクラスのライターのレポートなんかですでに知っていたことが半分ぐらい、こちらの書での新発見が半分ぐらいといったところであろうか。本書内で私がすでに鑑賞した抗日ドラマの作品紹介を何作かしているのだが、どちらかといえばアカデミック寄りなアプローチなのがこの本である。まぁ東大や早稲田の先生をするほどの方なのでアカデミックなのは当然であるが、抗日ドラマ初心者にもわかりやすく書いてあるのでこれを機会に皆さん抗日ドラマを見よう!と無理矢理誘導。

新発見は映画史の部分

劉文兵先生は専門が映画芸術論を中心とした表層文化の専門家、中国における映画史や日本が絡んだ中国映画史の本を多数出されているので興味のある方は一読されたい。ネタバレになるのであまり書かないが、本書で紹介された満鉄映画部との絡みや上海人脈の下りは映画史など考えたことのない自分にとっては興味深く読んだ。この影響で『地雷戦』や『鉄道遊撃隊』などのいまだに抗日ドラマでリバイバル制作される元祖の古い映画を鑑賞してみた。こういう鑑賞の仕方もミュージシャンのルーツをたどるようでなかなか面白い。

抗日ドラマ入門に最適

youtubeの短い動画やニュースのヘッドラインだけ見て抗日ドラマに憤慨するよりもこういうしっかり書き込まれた本を読んで背景を知るもよし、実際中国に行ってみて現実の中国人民たちの空気感に触れてみてはいかがだろうか?上海2泊3日たったの3万円ですぞ。

この書は映画史~政治的背景まで一通り網羅してあるので読んでから鑑賞すると監督の裏の意図とか遠回しな政府批判とか見てとれるかもしれない、そういう楽しみ方も深読みすればこの書はヒントを提供する。間接的ではあるが昔の角川のフレーズ「読んでから見るか、見てから読むか」の楽しみ方だ。

中国に渡るまでもなく何作か実際の抗日ドラマを最終回まで鑑賞することは日本にいながら可能であるが、その面白さを実感してほしいと思うもなかなか難しいのが現実である。一人抗日ドラマ普及委員会をしている身としてはこの書はある意味啓蒙書でもあるのでお勧めします。ちょっと前に出た本なので古本屋にも並んでいると思う。

劉文兵先生の著作

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。