抗日ドラマ不作のため鑑賞
2016-17にかけて抗日ドラマの不作が続き見たい作品が激減、しかたなく警察ドラマでも見るかと思いダウンロードしてみた。警察ドラマといっても特別捜査班のアクションものではなく、交番のおまわりさんの近隣住民とのほのぼのストーリーだ。麻薬で財を成した大物が登場したりするが多くは騒音問題、チンピラがたむろする問題などどうでもいい身近な事件を熱心に解決する熱血ドラマだ。正直言って暑苦しい(笑)。
実在の警官がモデル
前段で抗日ドラマ不作を指摘したが、習近平政権になりTVドラマのジャンルの偏りも徐々に変化の様子がうかがえる。年に1作ぐらいであった解放軍ドラマが倍増、それに合わせて本作のような警察ドラマも倍増。また全体としてはゴールデンタイムの連続放映数の規制がかかって作品数は減っている。
百度百科によればこの作品は揚州市の模範警官陈先岩のエピソードをもとにしているとある。以下の引用にある「社区」とは日本で言えば自治会単位の小さなエリアを意味する、団地の自治会なんかを思い浮かべてもらえば分かりやすい。
该剧以公安系统一级英模、扬州市公安局社区民警陈先岩的事迹为原型,讲述了基层民警如何帮助老百姓解决如广场舞、空巢老人、社区养老等问题的故事
登場人物紹介
人気俳優杨烁が主人公のライバル
そういえば捜査課刑事王欣伟を演じる杨烁アニキはヒロイン张言役の张佳宁と『蚁族的奋斗』(2011)で共演していたな。二人とも数多くの作品に出演し順調に出世しているようだ。
ほのぼのエピソードばかりで退屈だが・・・・
チンピラから足を洗った奴の手助けをするとか、企業に恨みを持つ労働者の復讐を未然に防ぐとか、表面上はほのぼのしているのだが、裏を返せば「いつもオマエをみているぞ」という集団ストーカーと変らない怖さを感じる。主人公も「住民を注意深く観察し、どんな小さなことでも問題が起きそうなら早く対処する」というようなことをドヤ顔で言うので、なんかアブねーなと感じてしまうところが現代中国、小さなことまで監視しているということの宣言である。日本で言えば江戸時代の5人組とか戦時中の隣組みたいな息苦しさだが、現実の中国人民はたぶんあまり気にしていないかそもそも公僕を信用していないのであろう。
もう一つネタバレになってしまうが、最後のどんでん返しでヒロイン张言が自作自演で事件をでっちあげるが発覚し自首するあたりもやはりTVの中から「いつもオマエをみているぞ」というメッセージのようでどうも後味の悪い作品であった。
結論、このドラマは集団ストーカー!