武侠ドラマみたいな抗日ドラマ
抗日と武侠のハイブリッドといえば『抗日奇侠』が一部のクラスタには有名であるが、この作品はちょっと違う気がする。ガバガバはガバガバなんだがどちらかといえば武侠成分の方が多い。日本軍は武侠ドラマに出てくる邪教勢力ぐらいの扱いで、跡目争いに巻き込まれた主人公たちの葛藤や恋愛物語の方が大きい。まぁその跡目争いの原因を作ったのは日本軍なんだが、翻弄されどんどん落ちていく主人公たちの変わりようはまさに武侠ドラマの鉄板ストーリーである。
登場人物紹介
武侠ドラマらしく人物関係が複雑だ、ちょっと登場人物が多いけど把握してほしい。そもそもは神州武館なる武道場の総帥叶宗寿が日本軍の陰謀で殺されるところからおかしくなっていく。叶宗寿は遺書に一番弟子の魏鸿生に道場を譲ると記し、さらに秘法の万能薬「金槍散」の製法を半分ずつ叶善群と魏鸿生に残すことになり、叶家と魏家の確執が始まるのだ。とくに叶善群夫妻のいじわるがスゴイ、まるで宮廷ドラマを見ているようである。
叶一族
魏一族
警察
日本軍
他
ツンデレ女軍官、河野恵子
日本軍スパイ、河野恵子。井上の道場に居候しつつ秘密任務を執行中。その秘密任務というのが神州武館の漢方薬「金槍散」の処方箋を手に入れること、なんでも外傷によく効く薬なのだそうだ。狙いが漢方薬の処方箋ということで世界征服を企むショッカーが幼稚園に立てこもるレベルのショボさであるが、「金槍散」はスゴい効能らしい(笑)、そもそも漢方薬なので即効性は西洋薬にくらべ少ないと思うのだがこのドラマの設定上ではとにかくスゴい薬なのだ。そして叶善群と魏鸿生それぞれが持つ処方箋を手に入れるため色々な悪だくみをしてみんなを困らす。
また、竹内俊彦に一方的に熱を上げる、そう、まさにサカりのついたメス。竹内>任務となり井上にも怒られるがまったく気にせず竹内の前では単なるメスに、後半には恋敵の叶倩倩を誘拐して痛めつけるまでになる。服を脱ぎつつ竹内を誘惑するシーンはお色気が少ないこのドラマでのハイライトシーンでもある。
さわやかすぎる竹内俊彦
怪しい自己啓発セミナーを受講した直後のようにハキハキと爽やかな笑顔を振りまく竹内俊彦。胡散臭い奴だと思っていたらいい奴だった(笑)
純粋に親の病気を治すため「金槍散」の処方を叶宗寿に教えてもらおうと、河野恵子を追って中国へ。お坊ちゃまの竹内俊彦に対し、かつては竹内家のお手伝いさんだった河野恵子、メスの本能むき出しで猛烈アタックを開始するが竹内俊彦の気持ちは叶倩倩へ。
何のために登場したかよくわからない大スター
謎の仮面ヒーロー「蒙面侠」、鼠小僧みたいに悪い奴らから巻き上げた金を貧乏人に撒く正義の味方だ。また日本軍の陰謀を調べ上げ主人公たちを助ける。普段は盲目の占い師莫先生の姿で街の人を算命術で占う。立派な占いサロンには秘密基地の地下室もあり、どこから資金が出ているのか謎だが正義の味方なのでどうせ共産党であろう。
しかしながらゲスト出演なので別に大した働きをするわけでもない、何のために登場したのかよくわからないのだ、ひょっとしてスター目当ての視聴者を呼び込む釣り?なのか。
莫先生のやってることは陰で捜査をして主人公を手助けしたり、対決の場に助太刀で登場したりとあくまでもサポート役に徹して奥ゆかしい動きしかしないのだ。一応ニセモノ「蒙面侠」騒動もあるのだが、井上がニセモノと判明したにもかかわらず、いつのまにやらうやむやになってしまった。
いろいろ含みを持たせた最終回
誘拐された叶倩倩の身代わりに井上の道場に残った杨雯莉を助けるため、魏启明と叶正楠は道場に乗り込むが石田の武功の前に歯が立たない、そこへ蒙面侠が現れ石田との対決となる。叶正楠は井上を倒し杨雯莉を助けるが魏启明とは喧嘩別れとなる。
石田は蒙面侠にブッ飛ばされ重体となり、河野恵子は山本大佐とともに兄弟子井上の仇をとるため復讐の誓いを立てるのであった。
ということで主人公側の確執も解決したわけでもなくまだ続くようだし、河野恵子も生きているので続編があるようだ。いまのところ中国の動画サイトには公開されていないようなのでまた何か動きがあればツイッターなどでお知らせする、早く続きが見たいかといえばそうでもない糞ドラマなので気づいたらの話であるが。