『中国抗日ドラマ読本』校正作業と重なり、見終わるのに2か月もかかった
2月から3月と多忙を極め、ドラマ鑑賞のスピードが大減速。通常なら40集前後のドラマを10日から2週間ぐらいで見終わるのであるが、この速度低下は執筆活動のピークを迎えたためだ。またここ1年ほど執筆活動のため他の時期も鑑賞スピードが落ちていたのは否めない。すこし時間が出来そうなのでダウンロードしてまだ観ていないドラマを早く片づけたいと思う。
『抗日奇侠』の隊長を演じた王新军 が東北抗聯司令官を演じているのだが、このドラマはわりと真面目な抗日ドラマだ。『抗日奇侠』を期待して観ると肩透かしを食らうかもしれない。以前の記事にも書いたが、昨今、あまりフザケた抗日ドラマが減ってきているのでポンコツ好きには少々寂しい。逆を言うと制作側としては真面目なドラマだけど、視聴率を稼がなくてなならないので、かなりの難題に挑戦となる。結果、低予算作品となると脚本勝負になるので、意外な名作が登場するかも、これには期待したいところだ。
登場人物紹介
登場する勢力は東北抗聯、少数民族、日本軍、保安隊だ。1940冬、東北抗聯は追い詰められ壊滅に危機に瀕していた、司令官、杨震山も戦死し、残された東北抗聯はオロチョン族の部落に一時的にかくまわれる。日本軍は杨震山をさらし首にし、民衆の戦意を落とす作戦に出る。生き残った杨震山の養子、杨保中らは父の首を取り戻すため少数民族と手を取り、新たな戦いに挑む。
東北抗聯
少数民族
日本軍
保安隊
オロチョン族?抗日ドラマ定番少数民族
少数民族が登場する抗日ドラマだと、雲南、広西とか南方を舞台としたものが多いのだが、今回は北方の少数民族、オロチョン族と百度百科に書いてあった。「猎人」「猎族」(狩人)とセリフで呼ばれていたが特に「鄂伦春族」(オロチョン族)と言及しているところは見つけられなかった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/オロチョン族
オロチョン族(Orochon,Oroqin、繁体字:鄂倫春、簡体字:鄂伦春族)はアルタイ諸語のツングース系の言葉を話す民族(ツングース系民族)。主に北東アジアの興安嶺山脈周辺で中国領内の内モンゴル自治区、その近隣のロシア領内に居住する。人口は約7千人。もともとは狩猟をしながら移動していたが、現在は定住化が進んでいる。
抗日クビチョンパ合戦に
まるで映画『子連れ狼』のようにクビをちょん切りまくるのがこのドラマの特徴だ。もちろんTVドラマなので残虐シーンは登場しないのだが、それでも心臓の弱い方は要注意だ。
まずは戦死した杨震山の首を日本軍がさらし首にする、長春に杨震山の首を送れと木村将軍は命令するが、送る前にいろいろ事件が起きる。
最大の悪役 保安隊 关敬山
この关敬山を演じる俳優は张鹰という人なのだが、悪役が板についてなかなかいい仕事をしている。直近だと『寒山令』で特高課長、『武神赵子龙』で 曹操なんかを演じている。拙著『中国抗日ドラマ読本』の作品紹介にも悪役で登場しているのでご覧いただきたい。
東北抗聯を裏切り日本軍に合流、杨震山を打ち取った功績を認められ保安隊小隊長になるが、持ち前のずる賢さをフルに発揮、保安隊を牛耳るようになる。
日本軍司令官、岸谷の指令のもと、東北抗聯と何度も交戦し負けるが、山本や孙彪に責任を擦り付け、危機を脱出するずる賢さは見習いたい。
真面目なドラマには真面目な本