中国本土に変な飛び火をしてしまった
拙著『中国抗日ドラマ読本』の発売告知と同時に、なぜか台湾、香港に飛び火。その方面のSNSのフォロワーさんが急増したり、一部中国大陸のユーザーにも知られた。このことは以前記事にしたとおり。
発売日近辺は従来どおりサバゲークラスタやら中国クラスタ界隈で少し騒がれたのみであったが、しばらくしてから、アマゾンのランキングがいきなり300番台に浮上。出版社側もどこか媒体に掲載されたのでは?と推測。
『中国抗日ドラマ読本』、Amazonで364位ってのはどこかで取り上げられたのかな? https://t.co/bs69c0EnsJ
— ハマザキカク (@hamazakikaku) April 17, 2018
以下なぜこうなったかを少し邪推、解読しながら説明してみる
震源地はweiboの投稿
まずは大破说了算 というweiboユーザーが『中国抗日ドラマ読本』を紹介。
大破说了算
4月17日 10:28 来自 老婆送的iPhone 7 Plus
日本出了一本《抗日神剧大百科》,里面收录了当红的抗日神剧的剧情解析、人物关系,还有各种画面的评(tu)论(cao),随书并附赠抗日中文教学,教你如何说一口抗日中文,以及如何VPN翻墙来中国视频网站…… 2
この投稿に対しコメントが1700程付き大盛況となる。
中国ウェイボーの件、どうやらこちらが震源地のようです。『抗日神剧大百科』と紹介されています。コメントのやり取りが面白い。 pic.twitter.com/jZG5qRgID3
— 南造云子(中の人岩田)@またまた重版御礼中国抗日ドラマ読本 (@dqnfr) April 18, 2018
日本の中国系ニュースに紹介される
このweiboに気づいた日本の中国系ニュースメディア「レコードチャイナ」が第1報。
日本で出版された「抗日ドラマ読本」、中国人に大ウケ!?=「この本、欲しい!」「日本人のこういう能力は最強」
おそらくアマゾン順位急上昇はこのあたりの騒ぎから始まったと思う。夜には順位は2桁台に突入。
中国でバズった件、レコードチャイナさんで紹介されました
日本で出版された「抗日ドラマ読本」、中国人に大ウケ!?=「この本、欲しい!」「日本人のこういう能力は最強」 https://t.co/Rl16BnWbke @recordchinaさんから— 南造云子(中の人岩田)@またまた重版御礼中国抗日ドラマ読本 (@dqnfr) April 18, 2018
中国のニュースサイトが取り上げ始める
レコードチャイナの日本国内第1報と前後して、中国国内では数多くのニュースサイトが取り上げ始める。元ネタは前述の大破说了算、中国のニュース配信の仕組みがよくわからないのだが、ほとんど同じ記事が多数のサイトに次々とコピペ転載される。また、筆者のブログやツイッター投稿を分析し、作者はどういう人物だとか、筆者のブログの自撮り写真を転載しわけのわからない論評記事まで登場する。特に大手のテンセントニュースやsinaニュースに転載され、日本では信じられないバズり方となってしまった。そしてその中国ニュースをサーチナやレーコードチャイナが転載、性病のピンポン感染みたいだ(笑)。もうこうなったらもうコントロールは不能。この日はスマホの通知止まらず。この勢いが日本でも欲しいところだ。
我が抗日号とともに、中国の新聞「環球時報国際版」に掲載されました。https://t.co/59cf9o8Lx0
— 南造云子(中の人岩田)@またまた重版御礼中国抗日ドラマ読本 (@dqnfr) April 18, 2018
さきほどウェイボーの頭条新聞(ヘッドラインニュース)に掲載されたようです。 #中国抗日ドラマ読本https://t.co/7bAQH872zf pic.twitter.com/M7Uj5GsJec
— 南造云子(中の人岩田)@またまた重版御礼中国抗日ドラマ読本 (@dqnfr) April 19, 2018
インタビューを受けていただいた三浦さんからも北京より連絡がはいり、こちらの動揺を伝えた。三浦さんのお仕事に影響が出なければいいのだが。
中国テンセントQQのニュースに載りました。コメントも1300以上ついてありがたいです。https://t.co/TDhKTUzFot#中国抗日ドラマ読本
— 南造云子(中の人岩田)@またまた重版御礼中国抗日ドラマ読本 (@dqnfr) April 18, 2018
テンセントのQQニュース
コメント欄を見るといろいろやり取りが面白い。ほとんどが「抗日ドラマはクソ」といったヘンテコシーンやセリフ、そこから発展して制作陣、はては政府に対する揶揄。次に歴史は真面目に扱おうといた優等生的コメント。ところどころに日本に対する文句と、抗日ドラマのおすすめ作品の紹介といったところだ。おすすめにはやはり『亮剣』『雪豹』といった作品がよく出てきた。人肉検索は怖いので勘弁してほしいところだが、脱線して作者は在日中国人ではないか?といった推理もあった。それに加え「作者走火了」など、絶好の金もうけのチャンスだとか、この機に中国へきて金儲けするべきだとか、筆者の山っ気をそそるコメントも見受けられた。
あと『抗日奇侠』ででてきた日本兵を素手で真っ二つに切り裂く「手斬鬼子」というのは中国のネット用語で「中華大切断」(笑)というらしく、いくつかのコメントに見受けられた。どうも中国ネットでもトンデモ抗日ドラマに関しては2011-13年あたりの常識で語られているようだ。槍玉に上がるのは『抗日奇侠』を始めとし、『英雄使命』とかそのへんだ。このあたり、日本もおなじ頃の作品群で語られているので、この2011-13年あたりの時代はトンデモ抗日ドラマ黄金期だと後世語られるのであろう(笑)。
テキストマイニングをかけてみる
上記のQQニュースのコメントをテキストマイニングにかけてみた。中国のテキストマイニングサイトは文字数の制限が厳しいか有償だったので、100,000文字までの解析が可能な日本のテキストマイニングサイトを使用した。こちらです→ https://textmining.userlocal.jp 中国語が解析可能なのか心配であったが、ほぼ解析はできたようだ。さすが漢字の国同士、電脳でもわかるのか。日本に対する文句が少なかったのが意外である。
ほんとはもっと有意義なことにテキストマイニングを使うべきだが、おもしろいのでみんなもやってみて(笑)。上記ユーザーローカル様のテキストマイニングは無料です、自分のツイート突っ込んで変なこと言ってないか、キモがられそうなこと言っていないかチェックできますよ。
テキストマイニングの本、RとかPython